2009-12-29

日本の対中依存度が加速?

 企業の中国移転により対中依存が加速―ロシア誌なんて記事が。

 2009年12月17日、新華網によると、ロシア週刊誌「プロフィール」は14日、「日本経済」と題する論説を掲載。日本の今年のGDP成長率は03年の水準に落ち着くだろうとの見通しを示した。

 また、日本における投資総額は米国を30%ほど上回っているが、労働生産性が米国より20%も低く、国内生産収益率(ROI)の下降は、日本企業の国外移転、特に巨大な国内市場を誇る中国への移転に拍車をかけており、すでに1万近い日本の企業が中国に会社を設立、生産ラインをすべて中国に移し、日本には経営部門と財務しか残さないという例も少なくない。

 中国の対日輸出の60%が日系企業からの輸出だという現実は、こうした背景から理解するべきだが、日本は中国経済への依存度を強めているということには変わりはない。2008年の日中貿易は米中・日米貿易を抜いて2000億ドルを突破、しかも中国の対日輸出は対米を500億ドルも上回る。

 中国企業による日本企業の買収も、結果的に日本の中国への依存を強めることにつながっているという。http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=38105&type=1

 台湾の現状は、この記事の日本のように対中依存度が年々深まっており、人口2千万人のうちの5%である1百万人以上が中国内に居住していることから、台湾が幾ら独立を騒ごうと、もはや経済的には中国なしでは生き残ることができない状況になっており、損なのは夢物語だと思っています(台湾人の方ごめんなさい)。

 日本に関して、ロシアの雑誌がこういう紹介をしたということですが、実際にはどうだろうか。一部の中小企業は確かに生産機能を全て中国に移管した所もありますが、コア産業系の大企業はそこまで馬鹿じゃないと思いますけど。だいたい今の中国沿岸部のコストを考えたら、中国に製造機能を全て移管するなんて自殺行為でしかないでしょう。

 それにしても、中国の対日輸出の60%が日系企業によるものであること。これは対米貿易でも似たような数字になるはずで、こここそが本来中国側が見るべき数字のはずなんですけどね。ロシア発といいながら、新華社が報道した記事がこうなんですよね。中国としては、日本はもう俺たちなしでは生きれない、と強調したいんでしょう。

 でも実は。考え方次第で中国は日本や米国企業が撤退した瞬間。一気に経済は崩壊するんじゃないだろうか?日本企業の中国製品は、そこそこの品質のものを低コストで作るものであって、最先端のものは限られており、かつ日本人の品質管理機能が無ければとても受け入れられるものではない。別にベトナムでもフィリピンでも作ろうと思えば作れる。様はコストの問題だけ(各国のワーカーの質もありますが)。

 自国経済の極めて脆弱な体制を暴露している事にきずいているのかいないのか。

 政治が国家間で交渉する時は、日本企業の中国事業もお互いに一つのコマとして扱えるでしょう。思い切った割り切りさえすれば、日本政府が有利になると思うんですけど。